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信頼される街の薬剤師とは

2016年2月5日 金曜日

これからの薬局づくりに欠かせないのが「人間力」です。

理想は「患者さんから信頼される薬剤師」だが…

私は以前、「質問ノートは現場力の結晶」という記事を書きました。

以前の記事より一部抜粋。
 “窓口で質問をしてくる患者さんから見れば、その薬剤師さんが、どれだけ学生時代に良い成績を残した人であろうが、どれだけ素晴らしい論文を発表した人であろうが、全く関係ありません。いかに安心して納得できる言葉をかけられる薬剤師であるかどうか、これこそが全てなのです。”

 私も薬剤師です。この事を意識して現場に立つ努力をしているのですが、理想通りに立ち振舞えているわけではありません。正直なところ、実際の現場では理想どおりにできる時とできない時がある、というのが事実です。

患者さんから指名される薬剤師
 そんなある日、私が店舗の投薬カウンターに入っている時のことです。新聞の切り抜きを手に持った70歳代の女性が薬局窓口にいらっしゃいました。
 女性「あの…、ちょっと、すみません。申し訳ないですが、奥で仕事をしている男性の薬剤師さんにお尋ねしたいことがあって。お呼びしていただけますか?」
 呼ばれた当社スタッフが表に出ると、その女性は新聞の切り抜きを見せながら彼に話し始めました。5分程度だったと思います。その女性はひとしきり話しを終わった後、笑顔で帰って行きました。対応したスタッフに話の内容を聞いてみると、新聞に記載されている記事と健康食品の摂取についての相談であったとのことでした。普段から当薬局でお薬を渡している患者さんであるので、定期薬のことも交えてアドバイスしたようでした。
 また別の日、同じ店舗で私が投薬カウンターに入っている時のことです。ある患者さんのお薬手帳を確認していると、手帳の隙間に「◯◯薬局の薬剤師、◯◯さんに相談」と書かれた手書きのメモを発見しました。当社の薬局スタッフの名前だったので不思議に思い、その女性に尋ねてみると「この前ね、薬の副作用が出て、ここの薬局の薬剤師さんに相談したのよ。親切に答えてくれたので、何が原因か判明して助かったのよ。だから、記録しておいたの。」との答えが…。
 わざわざ当社の薬剤師を指名して相談に来る患者さんがいるという事に対し、私は非常に嬉しく、そして誇りに思いました。

昔は「街の科学者」だった薬剤師
 30~40年前、街に存在する薬局の薬剤師は街の科学者でした。薬を販売するだけではなく、病気の相談や、健康食品などの相談、さらには害虫の駆除から学校保健などの公衆衛生に関することまで、様々な相談をうけていたと聞きます。実際、私が幼いころの薬局のイメージは「体に関することを何でも答えてくれるおじさんがいて、たまに栄養剤や風船をプレゼントしてくれる楽しい空間」でした。しかし、残念ながら今は、ほとんどの薬局が「調剤」を中心に行っており、処方せんを持っていないと入れない場所になっています。
 また、平成26年1月に日本医療薬学会より公表された「薬局の求められる機能とあるべき姿」には「薬局は地域に密着した健康情報の拠点として、セルフメディケーションの推進のために、一般用医薬品等の適正な使用に関する助言や健康情報に関する相談、情報提供等を実施することが求められている。」との記載があります。つまり、これからの薬局は以前のような「健康相談」という機能を備えるべきという方向性なのですが、まだまだ現実と理想とは程遠い状況にあります。

まずは目の前にいる患者さんを大切に
 現在の街の薬局では、その仕事の中心が「調剤」に変わってしまいました。それは時代の流れとともに業態が変化しており、当然の結果でもあります。実際のところ、処方せんを持たない患者さんがふらりと薬局に入り、健康の相談をする光景を目にする事はほとんどないでしょう。
 しかし、せめて定期的に処方箋を持ってくる患者さんに対しては、「この薬剤師さんは健康に関する相談をすると答えてくれる。ちゃんと親身になって聞いてくれる。信頼できる人だ。」と思ってもらえるようになりたいものです。
 実際のところ、たくさんの患者さんが待っている中で、一人の患者さんの相談に長い時間をかけることは難しいでしょう。しかし、だからといって諦めてはいけません。現代では、調剤機器やシステムの力を使えば調剤にかける時間を短くすることは可能です。それらを導入し、空いた時間で出来るかぎりの患者対応を行い、少しずつでも信頼関係が築けるように努力は続けるべきです。そして、その積み重ねが薬剤師としての「人間力」の向上につながるのだと思います。
 この点において、私を含め当社スタッフもまだまだ努力が必要です。しかし、たくさんの患者さんから信頼される薬剤師になれるよう、これからも日々努力を重ねていきます!

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有限会社八幡西調剤薬局
北九州市、遠賀郡、宗像市、中間市にて調剤薬局を展開しています。
〒807-0856 福岡県北九州市八幡西区八枝3-12-1
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http://www.yph.jp/


質問ノートは現場力の結晶

2016年2月1日 月曜日

これからの薬局づくりに欠かせないのが「現場力」です。

本当に現場が研修より大切なの?
 当社は「現場力」を大切にしている会社です。以前にも「現場こそ最大の研修」という記事を書いています。

以前の記事より一部抜粋。
“研修でどれだけ知識を学んだとしても、それを全て現場で活かすことはできません。もちろん最低限の知識は必要ですが、あとは繰り返し調剤を行うことや、現場で患者さんから様々な質問を受けることで、薬剤師としての本当のスキルが身についていくのです。”

「言っていることは理解できるけど、本当に現場でスキルが身につくの?」「実は、研修させる余裕がないから、現場力が大事だって言っているのでは?」と思われる方もいるでしょう。しかし、本当に現場の経験こそが薬剤師の生きたスキルになると、私は信じています。

質問ノートは現場力の結晶
 当社のある店舗では「質問ノート」と書かれた一冊のノートが存在します。スタッフが何度も触っているため、かなりボロボロになっています(苦笑)が、実はこのノートこそ、他でもない「現場力」の結晶なのです。その中には、現場の薬剤師が投薬の際に患者さんから受けた質問がQ&A形式で記されており、今でも日々更新されています。

記載されている質問の例
Q:子供が具合悪く食事が取れない。薬袋に「食後」とあるがどうすれば良いか?
Q:鼻血がよく出るのですがその対応は?
Q:アジスロマイシンを吐いた。3日間飲まないと効かないが、どう対処するか?

調剤薬局の質問ノート

このノートが現場力の結晶!

質問ノートの答えは十人十色。
 学生時代に授業で学んだこと、論文に記載されていること、座学の研修で学んだことはとても大切です。薬学の知識を持っていることは薬剤師としての基本であり、それがないと仕事になりません。しかし、現場で仕事をする上で、その知識だけではどうしても限界があります。
 先ほど書いた上記の3つの質問は、現場のベテラン薬剤師さんから見れば特に変わった質問ではありません。よく聞かれる質問でしょうし、その答えに困ることはないでしょう。しかし新米の薬剤師さんや、その診療科を初めて経験する薬剤師さんにとって見れば、今まで受けたことのない(もちろん研修でも学ばない)想定外の質問なのです。
 この手の質問には、国家試験のように正しい回答はありません。質問してきた患者さんの性別、年齢、家族構成、体質、既往歴…など、相手によって十人十色の答えが存在します。それを言語化することは非常に難しいですが、このようにQ&A形式で記載しておくことによって、「なぜこの質問に、このように答えたのか?」「それには患者さんのどのような背景があったのか?」とスタッフ間で経験を共有することができるのです。そして、このノートは現場で経験をしないと、決して記載することができないのです。

調剤薬局の質問ノート2

内容は企業秘密なので、お見せできません(笑)

質問ノートは、現場力をつけるための手段!
 繰り返しになりますが、この「質問ノート」に記載されていることは、100パーセントの正しい答えではありません。もし、社外の薬剤師さんから「参考にしたいので貸して下さい」と頼まれても絶対に貸せません。当たり前ですが、このノートは「投薬マニュアル」ではないのです。同じ現場にいる薬剤師が考え方の基本にする「投薬ガイドライン」なのです。さらに言えば、このノートを作ることは決して「目的」ではなく、現場力をより早く身につけるための「手段」でしかないのです。
 窓口で質問をしてくる患者さんから見れば、その薬剤師さんが、どれだけ学生時代に良い成績を残した人であろうが、どれだけ素晴らしい論文を発表した人であろうが、全く関係ありません。いかに安心して納得できる言葉をかけられる薬剤師であるかどうか、これこそが全てなのです。
 だからこそ、私たちはもっと現場力を身につけないといけないし、その努力を怠ってはいけない。そのツールの一つとしてこの「質問ノート」が存在するのです。

 そろそろ…、あなたも社外秘であるこの「質問ノート」が読みたくなったでしょ?(笑)遠慮はいりません!さあ、私たちと一緒にこのノートのページを増やしていきましょう!

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